文法の重要性

今日も今日とて英語を教えてきました。そして今更ながら、外国語を習う際の文法の重要性について再認識させられる毎日です。

皆さんは英語というとすぐに「ネイティブに習わなきゃ!」とお考えでしょうか?ここまでのブログなりホームページを拾い読みして頂いた方にはもうお分かりだと思いますが、当校はそれはかなり非効率なやり方だと考えています。その言語を母国語とする人から習う際に注意しておきたい点は以下のようなものが考えられます①その人が母国語の「文法」を良く知っていること②「日本人の陥りやすい点を熟知していること」③「特に初心者の方には日本語で説明できる日本語力があること」などです。これらはなかなか高いハードルと言えるのではないでしょうか??

まず①の母国語の文法を良く知っていることですが、我々日本人でも日本語の文法を良く知っており、且つそれを人に説明できる人は相当少ないと思います。私は以前、ある中国人の方にその方の日本語テキストの問題についていくつか質問されたことがあります。私は日本人ですので、「分からない訳がないっす!、何でも答えますよ」と自信満々だったのですが、5問質問されてわずか1問しか自信を持って答えられませんでした。他の4問は自信がないという次元でなく全く解答不能でした。。周りの日本人に聞こうかとも思ったのですが、学者か熟練日本語教師以外は答えられないだろうと諦めました。(どんな問題だっかは思い出せませんが)「お前の日本語力のせいだ!」と言われそうですが、曲がりなりにも?私は日本語ペラペラです。。でも日本語ネイティブでさえこのありさまなのです。小さい頃から自然に日本語を吸収しているので、理屈を説明してと言われても無理があるわけです。

次に、②日本人の良く間違う点を熟知しているかどうか。これは日本に滞在の長いネイティブや教授経験豊富な人は有利ですね。例えば「家をリフォームする」とか日本人がよく言う間違いを知っているかどうか。しかし、ある言葉の使用法だけなら「そうは言わない、この表現が正しい、または自然だ」で済みますが、「ルール」である文法を系統だてて説明する、となるとやはりネイティブには難しいのです。いくらペラペラでも原理は説明出来ないのです。裏を返せば、文法は「意識的に」学んでないと説明が出来ないとも言えるでしょう。

最後の③日本語で文法を説明できること、は更にハードルが高い。これについては面白い話があります。私がもう何年も前に勤めていた某王手英語学校の話です。私は初級程度のスピーキングクラスを担当していました。大手ということもあり、授業のやり方や進度はがちがちに決められていました。自由度ほぼゼロです。ある時「仮定法」の、If I had arrived ten minutes earlier, I could have caught the train.(あと10分早く着いていればあの電車に乗れたのに。)のような文章をひたすらパターンプラクティス的にリピート練習しました。オールイングリッシュで日本語は禁止です。一切解説的なものはありません。「今日の生徒さんの一対何人がこの文をきちんと理解し覚えられるのだろう?」とすごく不安になったのを今でもはっきり覚えています。まず例文のような「仮定法過去完了」を英語で説明されても理解はなかなか難しいでしょう。更に生徒さんのレベルが問題です。初級レベルの方は、そもそも「仮定法」が何なのかもはっきり知らない方もいらっしゃると思います。であるならば、基本例文もしっかり覚えられてない方は更に多いと思います。ifがあれば「仮定法」だと思っている方は実際すごく多いです。意味が分からない文をひたすら音読したところで、それはお経を音読しているのと同じです。暗記したところで、丸暗記ですから全く応用が利きません。意味不明な念仏・呪文(なんかコワい( ノД`)シクシク…)の類です。きちんと体の奥に「落とす」ためには、まず「理解」が必要と言えます。

以前、NHKのラジオ講座を担当されていたある先生の言葉に次のようなものがありました。(以前当ブログにも書いた杉田先生ではない方です。)「週に50分くらい英会話学校でフリーカンバセーションするなら、週に10文音読して暗記した方が絶対に効果が上がる。」この言葉を聞いて、私もわが意を得たりと自信を持ったものです。

教訓!文法的に理解できた英文を音読暗記しよう!(特に初期から中期)

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