英語らしい英語とは??

学生さんにライティングを教えていると、よく「この文でも間違ってはいないんだからいいんじゃないですか?」と言われます。その時に考えなくてはならないのは、確かに文法的には合っているが、果たしてその表現をネイティブスピーカーも使うだろうか?ということです。文法的に合っていたら何でもOKではあまりに進歩がありません。

当校では、よりネイティブライクな英語を書ける、言えるように指導しております。例えば「無生物主語の多用」「他動詞を多用し、自動詞やbe動詞を出来るだけ避ける」「受動態を出来るだけ避けて能動態を多用」「接続詞を使った複文を多用せず、分詞構文などを使って簡略化する」ひきしまった英文という観点から、「名詞を多用せず、動詞化して文を短くする」などです。

特に某大学で教える際、「無生物主語」を多用して英語を書こうと徹底して言い続けています。たとえば「オリンピックとパラリンピックには大きな違いがあるので、両者を統合するのは困難だ」という文を英訳するとします。学生さんはほぼ100%「違いがあるので」の文言を見て、because of やdue toを思い浮かべ、Because of the major differences between A and B, it is difficult to~などと書きます。当然これでも間違いではないのですが、ちょっと長たらしいし、会話ならいざ知らず、ライティングという観点からはもっとネイティブらしい引き締まった(洗練された)英文が考えられるのです。それが無生物主語構文です。私も高校のころ、この文法項目を習った記憶がありますが、その意図するところが全く分かりませんでした。「無生物主語?だから何??」って感じでした。ひょっとして先生も無生物主語が一体どう重要なのかを説明してくれなかったんじゃないか、、とも思っています。もちろん私が授業を真面目に聞かなかったから、単に聞き漏らしている可能性の方が高いのですが(´;ω;`)ウゥゥ

上の文は次のようにも表現できます。The major diffrences between the Olympics and the Paralympics make it difficult for the two to be integrated.どうでしょうか?直訳すれば、「オリンピックとパラリンピックの間の大きな違いが、両者が統合されることを不可能にしている。」です。Because ofの文章と比べてかなり簡潔でパンチが効いた英語だと思いませんか??この英語が多少考えながらでも口をついて出るということは、この文章パターンを意識的に覚えているということです。逆に言うと意識して覚えていない限り、「突然自然に」出てくる文ではないということです。是非皆さんも、「合っていれば何でもいいじゃないか」という発想は一旦置いておいて、いかに英語らしい英語が言えるか・書けるかという観点で学習してみてください。私は毎日アメリカの雑誌TIMEを読んでいますが、あまりに乱暴に読み飛ばすことはしません。どちらかというと精読に近く、常に「この英語を書けるだろうか?」と考えながら読んでいます。

ちなみに上記のmake it形容詞for~to doの文型はTOEICにも頻出です。PART7にも再三再四出ています。これが何となく分かるのではなく、しっかり使えるようにしておけば、TOEICのリスニングやリーディングの文章が非常に平易に感じられます。反対に、いつもなんとなくで終えていると、いつまでもなんとなくの理解のままです。必ず頭打ちになって点数も伸びなくなってしまいます。

当校では、TOEICに出る英文ももちろん、いかにネイティブライクな英語を言えるか書けるかにもこだわってトレーニングを積んでいきます。おそらく多くの方が高校生まで「読む」ということを中心に勉強してきたと思います。意識を変えて、この文が書けるか??という視点から英文を見てみてください。英語観・英語感両方共変わりますよ!

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